2025.7.10 第78回
今日の心がけは「相手の気持ちを理解するよう努めましょう」でした。

このテーマ、実は最後の数行に大きな意味が詰まっています。
「教える人」「教わる人」、そして「教えることを学んでいる人」――私たちは常に、そのどれかの立場にいますよね。
私自身、これまでに何人もの方を指導してきました。
その中でいつも意識していることがあります。今日はそのポイントを、4つに分けてお話しさせていただきます。
① 相手を引っ張り上げるのではなく、自分が降りていく
教えるとき、つい自分のペースやレベルで説明してしまいがちですが、それでは相手には届きません。
むしろ、自分から一歩、相手のレベルに歩み寄ること。
そうすれば、相手も安心してついてこられますし、教える側にとっても初心を思い出す良い機会になります。
② 「こんな簡単なこともできないの?」「一度しか言わないよ」は禁句
教える側にとっては当たり前のことも、相手にとっては未知の領域かもしれません。
誰にでも「不器用」や「不向き」はありますし、一度で覚えられる人ばかりではありませんよね。
私たちだって、かつては同じことで悩んでいたはずです。その記憶を忘れないようにしたいものです。
③ 自虐ネタは、最強の武器になる
自分の失敗談やドジ話、恥ずかしがらずに話してみましょう。
「自分も同じだったんだ」と知ってもらえることで、相手の緊張が解け、関係性がぐっと近づきます。
笑い合える空気が、指導の場を温かくしてくれます。
④ とにかく、褒めましょう
人は誰しも、認められたい、褒められたいものです。
たとえ小さなことでも「今日、ここが良かったよ」と一言伝えるだけで、相手のやる気は何倍にもなります。
ただし、それは“ちゃんと見ていなければ”できません。本気で見て、本気で褒めましょう。
指導するということは、相手の成長を支えるだけでなく、自分自身が基本に立ち返る大切な機会でもあります。
経験を重ねるほど、つい初心を忘れてしまいがち。でも、指導こそが自分を見直す一番のチャンスなんです。

重箱の隅をつつくようなことをしたり、上から目線になったりせずに、相手と同じ目線で寄り添っていく。
その姿勢が、きっと良い結果につながっていくはずです。
特に今、誰かを指導する立場にある方――ぜひ意識してみてください。
「相手の気持ちを理解しようとすること」から、すべてが始まります。