2025.7.23 第85回
私たちは、日々の仕事や生活の中で「伝える」「伝わる」というコミュニケーションを何度も繰り返しています。

でもこんな経験、ありませんか?
「ちゃんと伝えたつもりだったのに、相手には伝わっていなかった」
「そんな意味で言ったんじゃないのに、誤解されてしまった」
言葉はとても便利な道具です。でも、同時にとても繊細なものでもあります。
同じ一言でも、受け取る人の立場、経験、心の状態によって、意味が大きく変わることがあるんです。
たとえば「適当にお願いします」という一言。
軽い気持ちで「おおまかでいいよ」というつもりでも、相手によっては「手を抜いてもいいのかな?」と受け取られてしまうかもしれません。
特に日本語は、あいまいさを含む言語です。
主語を省略したり、相手に“察してほしい”という期待を込めて話す文化があります。
日本人同士ならなんとなく伝わることも、外国籍の方にはまったく伝わらないこともあります。
今の日本には、様々な文化背景を持った方が一緒に働いています。
だからこそ大切なのは、「自分の言葉がどう受け取られるか」を想像することです。
・ゆっくり、はっきり話す
・専門用語を避ける
・図や資料を使って補足する

こうした工夫が、相手との信頼関係を築く第一歩になります。
もちろん、受け取る側にも努力は必要です。
わからなければ「これはどういう意味ですか?」と素直に尋ねること。
確認することは、相手との信頼を深める行動でもあるのです。
「伝える力」と「受け取る力」
この両方を磨くことで、私たちのチームワークはもっと強くなります。
“伝えたつもり”や“わかってくれるはず”という思い込みを手放して、
相手の立場を思いやる――その小さな心配りが、よりよい職場の空気をつくります。
今日も一日、思いやりのあるコミュニケーションで過ごしていきましょう。