2025.9.25 第114回
「もったいない」という言葉は、日本独自の精神性を表すものです。物を大切にし、無駄をなくそうとする心持ちは、まさに私たちが次の世代に伝えるべき大切な価値観のひとつです。
しかし、その「もったいない」という精神が、今の日本でどれほど実践されているでしょうか。
年間約472万トンもの食品ロスが発生しており、その量は世界への食糧支援量を大きく上回っています。これは残念ながら目を背けることのできない事実です。国民一人ひとりが、毎日おにぎり一個分を無駄にしている計算になると聞けば、その深刻さがより理解できるのではないでしょうか。

私事ですが、私は普段、家内の作ってくれる弁当を持参しています。若い頃は「食べきれなかったら残していいからね」とよく言われましたが、私は「いや、残して良いじゃなくて、食べきれる量を詰めてね」と返したことがあります。幼い頃から「出されたものは残さず食べること」と両親に躾けられてきたので、詰め過ぎのお弁当でもすべて平らげるのが当然だったのです。残して捨てるなんて、とんでもない。今もその思いは変わりません。
私たち消費者一人ひとりの行動が、食品ロスの大きな原因となっています。賞味期限にばかり目を奪われて棚の奥から商品を取る「奥取り」や、必要以上の備蓄といった行動は、「もったいない」の精神に逆行するものです。
「手前取り」を心がけ、本当に必要な分だけを適度に備蓄する。そんな小さな意識の変化が、やがて大きな波となり、持続可能な社会につながっていきます。
物も心も豊かな生活を送るために、ぜひ皆さんもこの「もったいない」という言葉を意識しながら、日々の生活を送っていただきたいと思います。





