2025.8.27 第103回
私たちの仕事や生活の中で、「やりっぱなし」になってしまう場面は意外と多いものです。
使った道具を片づけない、食器をそのままにする──小さなことですが、積み重なると次の人の手間を増やし、全体の流れを悪くしてしまいます。
事後処理とは、作業の後片づけに限らず、業務報告やデータ整理、フォローの連絡まで含みます。つまり「一つの仕事を最後までやり切るために欠かせない工程」です。
事後処理が大切な理由は二つあります。
一つは、次の行動がスムーズになること。道具や資料が整理されていれば、探す手間が省けて効率が上がります。
もう一つは、周囲への思いやりです。後始末をしておけば、次に使う人が気持ちよく作業を始められます。これは家庭でも職場でも同じです。

一方で、後始末が苦手な人の特徴は「やること自体で満足し、その後を軽視してしまう」ことです。料理を作って安心し、洗い物を後回しにする。作業を終えて満足し、報告や片づけを忘れる。こうした「やりっぱなし」は二度手間を生み、信頼を失う原因にもなります。
事後処理を習慣にするには、「片づけまでを含めて仕事」と捉えることが大切です。さらに小さなルールを決めると効果的です。
- 使ったものはその場で戻す
- 終えた仕事はすぐに報告する
- 退社前に机をリセットする
こうした小さな習慣の積み重ねが、信頼される人をつくり、良い人間関係へとつながります。
成果や目立つ部分に意識が向きがちですが、本当に信頼されるのは「最後の最後まで責任を果たせる人」です。今日からぜひ、事後処理を意識してみましょう。