2025.9.3 第106回
今日の心がけ「育ててくれた人の願いを知りましょう」
今日は「創業者の願い」についてのお話です。
私たちが働いているこの会社も、最初から今の形があったわけではありません。創業者や先輩方が努力を積み重ね、地域の中で信頼を築いてきたからこそ、今日があるのです。私たちはその流れの中に生きていることを忘れてはならないと思います。

経営者と労働者の責任は、一見すると大きく違います。
経営者は会社を存続させ、社員やその家族の生活を守るために日々重い決断を下します。
一方、労働者である私たちは、自分に与えられた仕事を責任をもってやり遂げ、組織の一員として協力する責任があります。
責任の大きさや内容は違いますが、どちらも会社を支える大切な役割であり、どちらが欠けても成り立ちません。
創業者の願いとして「売り手よし、買い手よし、世間よし」という言葉があります。これは近江商人の商売哲学「三方よし」です。
- 売り手よし … 働く人が安心できるように正当な利益を得ること。
- 買い手よし … お客様が満足し、喜んで商品やサービスを受け取ること。
- 世間よし … 地域社会全体にとっても価値をもたらすこと。
この三つが揃ってこそ、会社は長く続いていきます。売り手だけが得をしても、お客様や地域が犠牲になれば、やがて信頼を失い、存続できなくなります。
経営者の考えは、経営者の立場に立たなければ分からないことも多いでしょう。売上や利益、雇用を守るための決断は、現場にいる私たちがすべてを理解するのは難しいかもしれません。
しかし、だからといって無関心でいてはいけません。少しでも経営者の立場に思いを馳せ、「この判断の裏には、私たちやお客様を守るための苦労があるのだろう」と考えるだけで、見方は変わってきます。そうすれば、私たち自身の仕事にも、より前向きに、責任をもって取り組めるはずです。
今日の心がけ「育ててくれた人の願いを知る」とは、創業者や経営者の想いを理解し、自分の仕事にその願いを重ねることだと思います。三方よしの精神を忘れず、会社と地域がともに発展できるよう、私たち一人ひとりが責任ある行動をしていきましょう。