2026.1.9 第168回
お正月といえば、やはり外せないのが「お年玉」ですね。私も今年の正月、遊びに来た甥っ子と姪っ子のために、それぞれの好きなキャラクターのポチ袋を準備しました。お金の価値はまだ分からずとも、袋を手にした時の弾けるような笑顔には癒やされるものです。
子供の頃、お年玉は一種のビッグイベントでした。親戚が集まると、挨拶よりも先に「今日は何人から貰えるかな」と頭の中で計算が始まる。ポチ袋を受け取った瞬間に「中身はいくらだろう」と、そっと重さを確かめてみたり……。 丁寧にお礼を言いつつも、頭の中はすでに使い道のことでいっぱい。「ゲームを買おうか」「とりあえず貯金と言っておこうか」と算段するものの、結局、親に預けたはずのお金がいつの間にか消えていた……というのも、よくある思い出かもしれません。

しかし、大人になって「渡す側」になると、お年玉の見え方はガラリと変わります。子供の人数を事前に確認し、金額に悩み、「去年より少ないとがっかりされるかな」と知恵を絞る。お年玉とは、意外にも渡す側の細やかな「心理戦」でもあります。
ですが改めて考えると、お年玉の本質は単なるお金ではありません。渡す側は、ポチ袋に「今年も元気でね」「勉強頑張れよ」「怪我をしないように」といった、相手を思う気持ちをそっと込めて手渡しているのです。
このことは、私たちの仕事にも通じるところがあります。現場での声かけや指導も、ただ注意を並べるだけでは「小言」になってしまいますが、相手を思う一言を添えれば、それは「教育」として伝わります。
例えば、「ここが違うぞ」とだけ言われるのと、「ここを直せば、次はもっと楽にできるよ」と言われるのでは、受け取る側の心持ちは全く違います。同じ内容でも、そこに「相手を気遣う気持ち」が入っているかどうかで、その後のやる気は大きく変わるものです。
お年玉も仕事も、金額や言葉の強さより、「あなたを気にかけている」という姿勢こそが大切なのではないでしょうか。
これからいよいよ繁忙期に突入します。助け合いが必要な場面も増えてくるでしょう。そんな時こそ、ちょっとした気遣いの言葉を「お年玉」のつもりで周囲に配ってみてください。その一言一言が、職場を明るく照らす力になると信じています。





